今日の一文

「一人の才能が土を割って芽を出し、世に出てゆくには、多数の蔭の後援者が要るものなのだ。ところが才能とは光のようなものだな。ぼっと光っているのが目あきの目にはみえるのだ。見えた以上何とかしてやらなくちゃ、という気持ちがまわりにおこって、手のある者は手を貸し、金のある者は金を出して、その才能を世の中へ押し出してゆく」

「北斗の人」